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夢blog

当塾代表 渡辺夢寛による「夢blog」 開設しました

2021年度大学入試、推薦・総合型(AO)入試総括~チャンスを逃さないこと~

2024-05-21

2021年度大学入試、推薦・総合型(AO)入試総括~チャンスを逃さないこと~


令和3年1月の全国高校サッカー選手権大会では、山梨学院高が青森山田高を破り見事優勝した。その山梨学院高の選手の中に6年前、小6時にポルトガル代表のクリスチャーノ・ロナウド選手が来日した際、1万人の中から抽選で直接質問するチャンスを得た岩岡選手がいた。彼が「あなたと一緒にプレーする夢はどうしたら叶いますか?」とたどたどしいポルトガル語で質問したところ、報道陣から笑いが起こった。それに対しロナウド選手は「一生懸命話しているのだから、笑ってはいけない」と真顔で大人達をたしなめると、会場からは拍手が沸いた。続けてロナウド選手は「努力をし、絶対にチャンスを逃さないことだよ」と岩岡少年にアドバイスした。「チャンスを絶対に逃すな」というダイレクトなフレーズは、直接的な言葉は濁す日本では聞き慣れない助言だが、欧米トッププレーヤーが挙って座右の銘にしている生々しいリアルな格言である。現に岩岡少年は6年後、「チャンスを逃さず」全国制覇を勝ち取った。

 

 さて一生を左右する大学入試においても「チャンスを逃さないこと」は、より大切になってきている。新試験初年度になった今年度の大学入試では、推薦、総合型選抜(AO入試)も大きく様変わりした。「多様な人材を入学させる」という名の実質「独学では対応できない複雑化入試」である。ただどんな入試方式であろうと、対策し、合格させるのが、当塾の役目であり、使命であり、実際今年度の入試においても多くの塾生が見事合格した。今年度の推薦、総合型入試をこれからの国公立大学一般入試合格発表前に総括したいと思う。

 

 まず先陣を切ったのが、都内難関理系国立大の東京農工大工学部SAIL入試に合格した女子生徒である。高校時から大学研究室に赴き、ロボット研究に取り組んだ実績のレポートとそれを試験官の前でパワーポイントを使ってプレゼンし、更に質疑応答もある非常に厳しい試験方式である。ただ彼女は、模擬練習でも堂々としたプレゼンであり、当塾で全て英語で行った質疑応答にも流暢な英語で完璧に答えてみせた。正に将来、革新的科学者になるためのSAIL(船出)入試合格に相応しい人物であり、英語スピーチコンテスト入賞歴のある彼女ならば、世界をまたにかける国際的な研究者として大輪の花を咲かせてくれるであろう。

 

 次に、理系最難関学部の東北大医学部AO入試合格の報からちょうど1年後、今年度は同じくAO入試で文系最難関学部の東北大法学部合格の朗報が届いた。彼は東北大模試で法学部志望者中、全国トップ10にも入り冊子に名前が掲載される程の優秀な塾生であり、一般入試での合格も固かったが、一発勝負の受験は何があるかわからないため、AO入試に挑んだ。受験方式が英語読解力と論理的思考力を試す問題であり、私は中1時から彼の卓越した英語力と理路整然と話す能力を熟知していたので、最適な受験方式であると考え、模擬面接を重ね、見事合格を勝ち取った。現在、将来については思案中とのことだが、学力だけでなく穏やかで物腰柔らかい人柄の彼ならば、真岡と宇都宮でそれぞれ法律事務所を開業している塾の卒業生であり、偶然にも同じく東北大法学部卒の両弁護士先生達のように、法曹界での活躍を密かに期待している。

 

 次に近年、推薦枠を拡充している筑波大である。特に情報学群知識情報・図書館学類においては、一般入試と推薦入試の定員が同数である。しかし「ビブリオバトル入試」といって1冊の本についてプレゼンし、そのプレゼンについて他の受験生が質問したり、最後は最も良かったプレゼンに投票するという対策困難な試験方式であり、更に英語と小論文も試験科目にあり、倍率以上の難関である。ただこの入試方式を調べた時、私は二人の女子塾生の顔が頭に浮かび、声をかけ、この受験を勧めた。二人とも明朗快活で話していてもとても感じのいい塾生であり、更に合格に相応しい英語力、国語力も備えている。この受験に関して話した時は二人とも驚いていたが、話を進めるうちに、共に本が大好きな読書家であり、一人の塾生は校内読書数一位で表彰されたという。偶然もあったが、共に柔軟に当塾からの受験の勧めを受け入れてくれた。しかし、練習において、私を含め当塾常勤講師5人が他の受験生役に扮し、鋭い質問を投げかけたり、不慣れなプレゼンであったため、当初は順風満帆ではなく、一人の塾生は、受験を取りやめたいとまで相談されたほどであった。しかし「諦めないで頑張ろう」と励まし続け、試験直前には二人とも私が合格を確信出来るほどのプレゼン力と見違えるほどの小論文の解答に仕上がった。一人の塾生は試験終了直後、筑波の地から、「最高の出来でした!プレゼンも他の受験生達がたどたどしい語り口調の中、私だけ『すごく慣れてますね』と受験生達から称賛されました!先生達との練習の方が遥かに緊張しました…」と電話をくれた。更に彼女が通う共学高では相当数の筑波大推薦不合格者がいたらしく「一躍学校で有名人になってしまいました。本当に塾のおかげです!」と満面の笑みで話してくれた。彼女達を含め今年度は筑波大に推薦で5名が合格し、他にも宇大2名、早稲田大(政経)、星薬科大(薬)、法政大等、開塾以来の推薦合格実績を挙げた。柔軟な考えができる彼ら彼女らは「チャンスを逃さなかった」のである。

 
 さてもうすぐ国公立大一般入試前期の発表、更には前期が力及ばなかったとしても、昨年度10名を超える合格者を出した後期入試も控えている。当塾での綿密な進路面談を経て受験校を決めた彼ら彼女らならば必ずや「チャンスを逃さない」はずだ。吉報は春の訪れと共にやってくるだろう。
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